拍手御礼企画
〜もし最学にヘイゼルがいたら〜




拍手ありがとうございます。今日進行役を務めます、一応、ヒロインと呼ばれている者です。はい。
あの、こういうの慣れてないんですけど、精一杯頑張ります。
カンニングペーパー――カンペも他の人達に書いてもらってバッチリです!

「そういうコトは言わんでええて」

突然聞こえてくる関西弁ですが、この人はヘイゼルさんじゃありません。オリキャラ?のフェイ君です。
えっと、状況を説明しますと、今、私達は生徒会室にいます。
でも、いる人達はいつもの生徒会メンバーじゃなくて、フェイ君、ヘイゼルさん、八戒先パイです。
ヘイゼルさんは無理矢理召喚されました。
でも、何でこのメンバーになったんでしょう?ちょっとカンペを見てみます。

「……そういうコトもわざわざ言わなくて良いんですけどねェ」

あ、そうなんですか?
えっと、それはともかくペラペラペラっと。
…………。
……………………っ!?

「お嬢はん、どないしはりました?」
「顔色が悪いですよ?どうかしましたか??」

ええと、いや、これは、その、もうどうしたら…………帰って良いですか?

「ハァ?何や、何て書いてあるん?」

あ!フェイ君とっちゃ駄目っ!

「…………」
「どうしました?フェイ」

フェイ君の表情が変わりました。訝しげだったモノが不敵な笑みに!

「はよ言わんと時間がなくなるやないですか」
「……フン。大したコトは書いてへん。『お互いに嫌味を言い合う』だけや」
「「は?」」
「つまり、『この中で最恐の嫌味を言えるのは誰か調べる』ゆー企画やね?そやろ?」

……えっと、その、そう書いてある……みたいです、けど。
あの、是非とも止めてほしいなーというか、あの……。

「……困るわぁー。ウチ嫌味なんて言えへんのですわ。其処の眼鏡はんらと違て

えっ!そうなん……ですか?ヘイゼルさん。

「ああ、自覚が全くおありじゃないんですね。羨ましい限りですv
「自覚は大事やで。俺なんかいつも自覚あるし?
嫌味の一つ二つ五つは言わな、此処の濃い連中の中で霞んでまうっちゅ?ねん」
「ソレは大丈夫ですよ、フェイ。貴方が霞むなんてありえませんから」
「そか?あー、俺こん中で一番かわええもんなー

……たたた大変です!いつの間にかバトル勃発中です!寒いです!逃げたいですぅー!!
何でですか?何で私が進行役なんですか!?ゴジョ先輩で良いじゃないですか!
しかも、何で皆さん真っ黒なオーラ出せるんです!?
相乗効果で白いはずの壁が暗黒に見えますですよ!?

と、私が部屋の隅で震えていると、不意にヘイゼルさんが声を上げました。

「……そや。ウチあんさんに言いたいコトがあるんどすわ」
「人のコト指差すなや、この変態カマ男が」
「(無視)その髪といい、眼といい、口調といい、ウチのコトパクるの止めてほしいわぁー。
ほら、なんやウチまで阿呆に見えるやないの」

さ、寒っ!吹雪が、冷気が室内に!窓が凍ってますぅうぅー。
あ、フェイ君がヘイゼルさんの発言を受けて「ハッ」と鼻で笑いました。
勝負は寒いのに加熱してます!もう止めて!

「何言うてんねん。俺はお前なんぞよりも早うには活躍してたわ。
寧ろパクったのはソッチとちゃうの?
なんや、自分がやったコト他人の罪にすんねや?
あー、やっぱり見た目キモイ奴は中身も捻くれとるんやね。しかも自覚なし。
うっわ、最悪やん自分。眼鏡と大差ないわ」

「まったく。二人共『眼鏡』『眼鏡』って失礼ですね。僕はそんな名前じゃありませんよ?
ひょっとして忘れちゃいましたか?
もう老化現象が始まってるなんて大変ですね。心中お察ししますよv」

「眼鏡はん、それ曇っとるんとるんやないの?ウチしみ一つない肌が自慢ですのや」

「アンタはいっぺん鏡見た方がええんとちゃう?
……それより、オイコラ眼鏡!十代前半つかまえて何言うてんねん。
あ、そか。ひがみやね。いやー、年取ると小言が多なるって聞いとったけど、ほんまやってんな。
俺も気ぃつけなあかんわ」

「フェイに小言を言われるようになったらおしまいですよねv」
「ほぉー。分かっとるやないの。眼鏡はん」

……恐っ!皆さん、笑ってます。笑っちゃってます。
こんなコトはっきり言って言いたくないんですけど、すっごく不気味です!
もう生徒会室は銀世界です。暖房は全部止まりました。此処はもうシベリアです。

「ウチはオフィシャルなキャラクターやから、マイナーもマイナーなボンにもド暗い眼鏡はんにも負ける気しないわー」
「オフィシャルがなんやねん。俺は偶々考えついたのが此処の管理人だっただけやし?
それに原作に俺が出たら出番取ってまうやろ。良かったなー?俺が出ない御陰で日の目見れて
「負け犬の遠吠えは見苦しいもんやね。痛ましいわー」
「カマ野郎言われたないわ。なんやねん『三蔵はんv』て。キショっ!」
「……というか、公式な人気で言ったら僕の圧勝で終わっちゃいますよね

ああ、もう駄目です。私……もう…眠…………。(ガクッ)

進行役リタイア。

「皆、この腹黒眼鏡に騙されとるでー」
「ウチの魅力は分かるお人にしか分からへんのや。量より質やね」
「マニアックな趣味の人がいて良かったなー。でも、男やないの?全員
「ああ、それは大いにありえますね」
「お二人はんはほんま冗談がお好きやねぇー。でも、つまらなさすぎて笑われへんよ?」
「ご心配なく」
「本気やから」

「「「…………」」」

「フフフフフ」
「あはははは」
「ケケケケケ」

バタンッ!

乱入者登場。

「……寒いですわ」

「「ん?」」
「あv響ぃー!何してるん?こんなムサッ苦しい所までわざわざ。ひょっとして俺に逢いに来てくれたんー?」
「まさかvそんな訳がないでしょう?ワタクシは言いたいコトがあって来ただけですわ」
「誰なん、この娘はん」
「響、今ちょっと取り込んでいるんですけど、何ですか?」
「『何』、ですって……?」

皆さん、いい加減にして下さらないかしら?
廊下まで凍り付いてるじゃありませんの。廊下ですのよ、廊下。
限度というモノを全くお知りになっていらっしゃらないんですのね、十何歳にもなっているくせに。
これだから常識のない方は困りますわ。いえ、存在自体が非常識な方は、と言った方が良いかしら?
ダイヤモンドダスト起こすなんて人間業じゃありませんものねv
三人揃って『世界ビックリ人間大集合』に出てらしたら?学校でやられると迷惑ですもの。

何より、ワタクシの紅茶が冷めてしまいましたのよ?どう責任取って下さるおつもり?

まさか責任逃れなんてみっともない真似はなさいませんわよねv


全員に100のダメージ。

「む、娘はんは一体……」
「煩いですわよ。ただの目立たないサブキャラは黙ってて下さらないかしらv
ワタクシこれでも忙しいので、貴方ごときに付き合っているような時間は本来コンマ1秒もありませんのよ?」
「!?」
ヘイゼルに更に100のダメージ。

「黒も人気に拘っているようではまだまだですわね。
三下と呼ばれてもおかしくありませんわ。そう、ちっともおかしくありません。
真の人気者はただ黙って微笑めば人がついてきますのよ、そうワタクシのように。お分かり?」
「!」
八戒にも120のダメージ。

「……それとフェイ」
「何や?響v」
「貴方は何よりもまず 煩 い 。しばらくしゃべらないで下さいねv」
「!!」
フェイにクリティカルヒット。

「あ、そうですわ。暖房の修理費は三人に出して頂きますから、お忘れなきようにv」
「「「!!?」」」

「では、ごきげんよう」

「…………」
「…………」
「…………」


第一回 全世界最恐決定戦:乱入者・桜井 響圧勝。





―――作者のつぶやき♪―――
こんな長々とお付き合い下さりありがとうございました。
タイトルの通り、連載『最遊学園高等部』にヘイゼルがいたらという設定で書いてみましたが。
結論と致しましては『無理』の一言ですね。コレ以上嫌味要員はいりません。
あ、ちなみに解説はヒロインさんにして頂きました。ごめんね☆

拍手ありがとうございました!