シンデレラのリミットは12時の鐘。 それなら、君は何にしよう? Phantom Magician、200 ヴォルデモートの姿を見た時は、単純に怖かった。 その存在も、なにもかも。 全てが恐ろしく感じられた。 でも。 同じ闇の陣営でも、ピーターに対しては違っていた。 アイツが、ポッター家の跡地を確認しにきた姿を見て、 あたしは全身の血が沸騰したかのような熱さを感じ。 同時に、胸の奥に決して溶けることのない氷塊があるかのような冷たさを覚えた。 あれはそう、純然たる怒りだ。 「ピーター!」 気が付けば、あたしはそうすべきではなかったのに、 昂ぶりに突き動かされて、奴の名前を呼んでしまっていた。 せっかく、渋るセブルスにも協力してもらったのに。 それを、無意味にさせてしまった。 すでに、リリーを探しに行ってしまった彼が、現状を見たら、 きっと、盛大に表情を顰めた上で、「この馬鹿が!」と声を大にしてあたしを罵ることだろう。 でも、と心の中で声がする。 でも、仕方がないじゃないか。 あたしの大切な物を全てぶち壊す、その元凶が目の前にひょっこりと現れてしまったのだから。 叫ばずには、いられなかったんだ。 しかし、結果、遠ざかる小さな背中に、舌打ちしたい気分になる。 「くそ……っ」 奴の早い逃げ足に釣られて走り出すものの、 流石に男女の違いもあって、その差はじりじりと増えていく。 ちょろちょろと角を曲がられてしまえば、その姿を見失うのは簡単だ。 奴が姿くらましを出来ないのは分かっていても、透明にでもなられてしまえば、もう見つけられない……。 「っ!!」 と、あたしの気分が暗く落ち込んだことに気づいたスティアが、叱咤するようにあたしを呼ぶ。 それは、打つ手を無くした人間が出す声ではない。 はっと顔を上げれば、ピーターが箒に縋って飛んでいくのが、見えた。 あたしは、そのことに驚きを感じながら、 事前に用意していたものの、瓦礫に埋もれてしまった物を魔法で呼ぶ。 「来い 銀の矢っ!!」 美しい流線型のフォルムは、若干、枝の部分が飛び出して歪んでいたけれど。 幸い、その箒は折れることも曲がることもなく、 上に乗っていた壁やら何やらを吹き飛ばして飛んできた。 そして、伸ばしたあたしの手に、ぱしっと軽快な音を立てて収まる。 心得たもので、スティアはそんなあたしの肩に、猫の姿で軽やかに飛び乗った。 「行くよ、スティア!」 『くれぐれも落ちないでよね!』 「当然っ!」 こうして、あたしとピーターの鬼ごっこは始まった。 決して、楽しい遊戯などではなかったけれど。 負けることなど考えられない。 何故なら、これはジェームズから貰った箒なのだから。 彼を裏切った奴に、追いつけないはずがないのだ。 それから十数分。 ゴドリックの谷を抜けて、あたし達はマグルの街を俯瞰していた。 腐っても悪戯仕掛け人、ピーターは火がついたような勢いで飛び続け、 こんなところまで来てしまったのだ。 夜風を切って、箒が馳せる。 空気は冷たくて。でも、澄んでいて。 頭上には、満点の星が輝く。 嗚呼、こんな夜にリーマスに箒に乗せてもらったのは、いつだっただろう。 そう思うと。 不意に、涙が零れた。 「もう、戻れない」 分かっていた。 分かっていて自分で選んだ未来だ。 それが、とうとう目の前に現れただけ。 でも。 痛い。 痛いよ。 ぐっと歯を食いしばり、前を見る。 視界は歪んで、ピーターの姿を捉えられない。 こんなことじゃ駄目だと分かっているのに。 一瞬だけ、暗い街の影にあいつの背中を見失う。 ここは明るい光が満ちているくせに、その分闇が濃いようだった。 リーマスの、心のように。 「…………っ」 ずきずきと。 体の奥底で、痛みが疼く。 その、痛むものが何かも分からず、対処はできなかった。 だから。 痛むそこをぎゅっと抑え、ただただ、その痛みを受け入れる。 きっと何度も思い出すだろうし、思い出すたびに死にたくなるほど何かが痛むだろうけれど。 後悔だけはしたくない。 そう、思ったから。 そのまま数分。 溢れる涙は止まらないかとも思われたが、腕の中のスティアの一言で全てがクリアになる。 『。鼠は次の交差点を右だ』 ピーター。 このあたしから逃げられるなんて、思うなよ? 「そこで止まれ!ピーター=ペティグリュー!!」 威嚇の為に、奴の箒に魔法を叩き込むと、「ヒッ!」という短い悲鳴と共にピーターは地面に落ちた。 無様に地面に這い蹲るその姿に、しかし、溜飲は下がらない。 下がるはずがない。 こんな、裏切り者、この程度で足りる訳がない。 「ピーター……立ちなよ」 杖を相手に突きつけて、あたしは短く命じた。 「、ど、どうして此処に……」 「気安く呼ばないでくれる?殺したくなるから」 自分の声が低くて冷たい。 ヴォルデモートと相対した時よりも、深く、暗い、軽蔑があたしの心を占める。 悪の根源よりも、目の前の裏切り者の方が、あたしには許せなかった。 でも、そんなあたしの心は、目の前にいる人間には伝わらない。 「、僕たちは、友達、だよね?殺したりなんか、し、しない、でしょう?」 「あたしはお前と友達になんてなったつもりはないよ。初めて会ったその時から」 「ででででも!殺さないよね!?き、君は、素晴らしい人だっ」 「…………」 嗚呼、気持ち悪い。 「死喰い人にそんなこと言われても嬉しくないね」 「っ!?ぼ、僕が死喰い人!?まさか、そんなっ」 「違うなんて言わせない。あんたはジェームズとリリーをヴォルデモートに売った。 でなかったら、どうして秘密の守り人のあんたがピンピンしてるのに、 守られているはずのジェームズ達の家に奴が来る?」 敢えて淡々と、発言の根拠を述べるあたしに、 多分、いつもと違う何かを感じたのだろう。 ピーターは青白い顔で、縋るように、懇願するように、手を組み合わせる。 嗚呼、いや。 これは寧ろ、懺悔かな。 「そっそれはっ!僕は、でも、必死でっ あんな、ことになるだなんて……っ」 「思いもしなかった、なんて言わせるつもりはないよ」 そんな形だけのポーズ、見せられた方は不快なだけなのに。 と、延々非難されていることに、ピーターもなにか思うところがあったのか、 気づけば、目を涙で光らせながら、奴は顔を真っ赤に染め上げて声を張り上げていた。 魂から言葉を絞り出すように。 「……きみっ、君には!あの方の恐ろしさが分かっていないんだ! 言わなければ、僕が殺されていたっ僕は……僕はっ!違うんだ……っ」 「――……シリウスは」 「え……」 「シリウスは、『友達を売るくらいなら殺された方がマシだ』って言ってたよ」 十二年後の、叫びの館で! ピーターの言葉に、思わずあたしは叫んでいた。 「あんたは何一つ分かっていない!ジェームズとリリーが殺されて!シリウスが殺されて! ハリーがどんな扱いを受けるか!皆が何を失うか!!」 「な……」 「リーマスがどんな人生を送るかあんたは何一つ知らないんだ!」 独り、昏い叫びの屋敷で夜を明かす彼を、思い出す。 きっと、原作での彼は、あれよりもっと悲惨で。 孤独で。 人を信じることも、出来なくなっていた。 しかも、ようやく人を信じられるようになったのに、最後にはあっさりと殺されてしまった。 大切な人を、その腕に抱きながら。 そんな人生、あんたは知らないでしょう? 結局、お前も死んでしまうけれど。 その人生は、リーマスより酷いのかもしれないけれど! それが、お前の選んだ道なのだから、それは仕方のないことだとも思う。 でも、リーマスは違う。 リーマスは、友達を裏切ってもいないし、 こそこそ逃げ回ったりもしていない! あたしはそんな未来は嫌なんだ。 リーマスには、自由に生きてほしい。 大切な人達に囲まれて、自由に。 だから、災いの芽は刈り取ろう。 あんたがいたら、ヴォルデモートが戻って来てしまうから。 『ハリーにはこの秤の方が良いんじゃないか?』 『えー。シリウス、君、高ければそれで良いとか思ってないかい?』 『宝石付きの秤なんて、悪目立ちしてしょうがないと思うよ』 『やっぱり、ここは実用性重視で、ドラゴンの装飾があるこれなんて良いんじゃないだろうか』 『『それ、人のこと言えないだろう(んじゃないかい)』』 『……もう、父さんっ!』 幸せな、あの生活が夢で終わってしまうから。 そして、瞼の裏に広がる、優しい幻は、ピーターの声によって霧散する。 「き、君は予言者かい……?」 「……その質問に答える義務はないよ。 さあ、ピーター。おしゃべりはここまでだ。アズカバンに送ってあげる。 自分自身の良心に殺されるよりはマシでしょう?」 言うや否や杖から真っ赤な魔法がほとばしる。 がしかし。 あっけなく終わるかと思った攻防は、ピーターはほうほうの体でその光線を避けたことで続いていく。 光線が電柱に当たって凄まじい轟音を立てる。 一斉に近所中の電灯がつけられたが、あたしの視線はピーターだけを捉えていた。 がしかし。 このまま行けば野次馬が集まってくる。 この後起こる出来事も知らずに。 そして、奴はマグルが声の届く位置に来たところで案の定、叫び出した。 「っ!よくもジェームズをっ!!僕が仇をとってやる!!」 あたしに攻撃される前にと、奴の魔法が行使される。 心配などしなくても、まずは自身とマグル達の安全確保に魔法を使ったので、すぐに攻撃なんてできなかったのだが。 奴はそんなことを知らないから。 唾を吐き散らかして、杖を構えた。 その瞬間。 光と爆音、そして衝撃。 視界が一瞬奪われる。 あたしは飛んできた小石から自身を庇い、顔を上げて。 「……ふふ。あっははははは!」 シリウスの気持ちが分かった。 これは確かに笑うしかない。 視線の先に、ピーターの姿はなく。 残されたのは親指一本と消し炭だけだった。 「あははははは!ふふっくはは!」 狂ったように笑いながら、あたしは時を待った。 もうすぐ、終わる。 終わってしまう。 目的を果たしたら、あたしは帰らなければならないのだから。 そういう魔法を、かけて貰ったのだから。 でも。 でも、神様。 わがまま言って良いですか? あたしは。 「っ!」 最後にリーマスに逢いたいんです。 「リーマス……」 「そんなっ、一体、どうして……っ」 声が聞こえたのと、ほぼ同時。 一瞬にして、あたしは魔法省の役人と闇祓いに囲まれた。 不死鳥の騎士団は間に合わなかったのだろう、そこにいる面々の中であたしが分かるのは唯一人だけだった。 その愛しい鳶色を、間違えるはずなどない。 本当に笑ってしまう。 この世界は本当に都合が良くて。 でも、不条理で。 そして、そんなあたしの心情など知る由もない闇祓いの一人が、 殺気だった様子であたしに詰問をはじめた。 「貴様っ!今一体、何をしたんだ!?」 「何って……何も?」 あたしはあっさりと真実を告げた。 やったのはあたしじゃない。ピーターだ。 そんなことも分かんないのか。 だから、あんな鼠に騙されんだよ。どいつもこいつも。 しかし、その態度は相手の神経を逆撫でしたらしく、激昂した男が耳元で叫ぶ。 「とぼけるな!我々は全て見ていたのだ!! 貴様がピーター=ペティグリューを爆破する瞬間をな!」 「ふうん。なら訊かないでよ」 「っ貴っ様!」 嗚呼、面倒だ。 あたしが、話をしたいのはこいつらなんかじゃないのに。 そして、あたしは、 「黙れ」 この場の音を消した。 「ねえ、リーマス」 あたしと、リーマスの声以外の音を消した。 一瞬で場を支配したあたしに、闇払いたちが息を飲み、攻撃をしようとしてくるのを、 適当に武装解除しながら、しかし、あたしの視線は一点から動くことがない。 時間が無い。 その意識も手伝って、あたしは他の人間全てを無視してリーマスへ言葉を向ける。 「リーマスも見てたの?さっきの」 「……ああ。見ていたよ」 「……リーマスには見せたくなかったんだけどな」 きっと、心が痛むから。 「……っどうしてなんだい?どうして、君がピーターを……」 「……あたしは何もしてないよ」 ピーターには、してないよ。 その一言は胸の中にしまっておく。 そして、その後沈黙したあたしに痺れを切らしたように、リーマスは口を開いた。 「……どういう意味だい」 「どういう意味も何もないんだけどね」 あたしは未来を知っている。 だから、ピーターのあの言動がどんな意味を持つのかも分かる。 「シリウスの配役があたしに回ってきた。それだけ」 あたしの言葉に、リーマスの眉が不可解そうに寄せられた。 別に分からなくて良い。 これは、未来を読むことのできた読者にしか分からないことだから。 と、まだ大して言葉も交わしていないというのに、頭の中にスティアの声が響いた。 『。捕まえたよ』 「ありがとう、スティア」 聴こえるか聴こえないかの声量で呟く。 ずっと、不思議ではあったんだ。 スティアは人間の姿にもなれるのに、どうして基本が猫なのか。 それは別に魔女のお供が黒猫だっていうセオリーじゃなくて。 スティアの本体が猫の体だったっていうことでもなくて。 鼠を捕まえるのは、猫だから。 多分、そういうことだ。 手足の感覚がなくなっていく。 嗚呼、もう、本当に時間がない。 「、君を捕まえるよ」 「…………」 「本当はこんなこと……したくないっ。でもっ、君がピーターを……っ」 「…………」 「どうしてなんだ!どうして、君が……」 「……リーマス」 「今までありがとう。ごめんね」 「!」 苦渋を滲ませる彼に詫びる。 様々な想いを乗せて。 裏切りを教えなくてごめん。 友達が死んじゃうところを見せてごめん。 一人で勝手に行動してごめん。 あたしは、馬鹿で。 他の方法なんか思いつかなかったから。 でも。 でもね?リーマス。 あたしは、皆が一緒にいるのが大好きだったんだよ。 だから、誰か一人でも欠けてしまうのが嫌で。 それに。 リーマスが独りぼっちになるのが嫌で。 「一緒に、いたかった」 最初に望んだのは、それだけだった。 でも。 あたしは欲張りだから。 幸せな夢を見たら、元の夢が許せなくなって。 どんどんどんどん。 望みが増えていって。 「皆と……一緒にいたかったよ」 でも、望みは全て、叶わないから。 「幸せだった」 君に友情を。 「なら!どうしてっ」 「……。あたしね」 リーマスを愛してる。 「好きだよ。リーマス。 ずっとずっと好きだったけど、実際に話したら本当に好きになった。 だから……」 ばいばい。 最後の一言は、音にならなかった。 ようやく事態に気づいたリーマスが手を伸ばす。 徐々に薄くなる身体に。 でも。 「――っ」 その手はただ空を切った。 闇祓いはもちろんのこと、魔法省の役人達など、 その場にいた全員が姿を消したあたしを追っていなくなった。 唯一人、リーマスを残して。 「姿くらまし、じゃない」 確かに、手の届く位置に彼女がいたのに。 哀しげに。 寂しげに笑うがいたのに。 体が透けて。 彼女は闇に溶けてしまった。 姿くらましなどではない。 あんな静かに消えてしまう、そんな魔法など知るものか。 思わずあたしの名前を呼ぼうとして、しかし、彼はその名前が思い出せない事実に愕然とする。 「さっきまで、呼んでいたのに……?」 砂が手のひらから零れ落ちるように、思い出せない。 最初から、そんな人物は存在しなかったとでもいうように。 『やれやれ。だから僕は君が嫌いなんだよ』 と、呆然と立ち竦むリーマスの元へ、鼠を銜えた漆黒の猫が歩み寄ってきた。 「君は……スティ……?」 『気安く呼ぶな。そう呼んで良いのはだけだ』 スティアが呼ぶ名前は、リーマスには聴こえない。 「君、しゃべれるのかい……?」 『が言ってただろう。ふん。まあ、そんなことはどうでも良い。 僕はただ君に伝えたかっただけだよ』 ばーか。 「っ!?」 『女の子に守ってもらって情けなくはないの?男としての矜持くらい見せなよ。 最後告白されても応えられないなんて最悪だ。君みたいな奴をどうしてが選んだのかさっぱり分からない。 最初から最後までの苦しみも何も全く理解しなかった。の決意も知らずにのうのうと生きていた。 誰が敵で誰が味方かも分からずに、一方的に颯を責めた。真実も知らないくせに。 それが……僕には許せない』 黒猫は全てを知っているかのように、リーマスを睨み付けた。 知る術もなかった彼に。 知らなかったことが罪なのだと言い募って。 「しん……じつ?なら、彼女は……?彼女はどうしてピーターを!?」 何度目になるか分からないその問い。 しかし、それに答える者はない。 『知りたきゃ勝手に調べればいいじゃないか。僕に答えを求めるな』 「頼む!僕は、彼女があんなことをするなんてどうしても信じられない。 僕の知る彼女は……」 頭が良い癖に、馬鹿で。 魔法が誰よりもうまく使えて。 でも、箒が下手で。 いつも冗談みたいなことをやらかして。 いつも笑っていて。 いつも。 いつも。 「どんな時だって、愛しかった」 今だって、愛しい。 『今頃言ってどうするのさ。しかも僕相手に』 「彼女は、今どこに……?」 『在るべき場所に』 「どうすれば、会えるか、知っているかい?」 悲痛なリーマスの、縛り出すような声に。 猫は笑った。 『知っているけど、君には教えないよ』 くすりと笑うその猫は、その後数分リーマスと言葉を交わして去っていった。 こうして、長かった夜が明ける。 翌々日。 日刊預言者新聞は全ての記事がたった一つの出来事で占められた。 例のあの人の消失。 崩れたポッター一家の家。 数キロ先の心霊スポットで保護された、生存者。 そして。 突如アズカバンの牢獄の中に現れた、ピーター=ペティグリュー。 ピーター=ペティグリューはマグル市街郊外でとある魔法使いAに殺害されたものと思われていたが、 翌日、アズカバンにてその身柄が確認された。しかし、魔法薬を投与されたのか延々と例のあの人に 関わる事柄を話し続けており、事実確認が急がれている。アルバス=パーシバル=ウルフリック= ブライアン=ダンブルドア氏によれば、ピーター=ペティグリューが話していることは魔法使いAの残した手記に記されており、 事実を裏付ける証言や状況証拠などが多数発見されているということである。 なお、ピーター=ペティグリュー殺害容疑の掛かっていた魔法使いは忽然とその姿を消しており、依然消息は掴めていない。 名もなき魔法使い。 それが後に人々の間に普及したあたしの呼び名だ。 「あたしはアイツを捕まえたその時で良い」 君はそう言って、自分の期限を決めたんだ。 The third part is the end. ......to be continued
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