背負うのは、誇りですか?





Phantom Magician、54





「どうしようどうしようどうしようこの歳でほぼ無一文とかっ!
いや、夢ではありがちだけど、こんな貧相な体で衣食住賄うとかないんですけどっ!」
『うん。それは選択肢から外そうか。僕の精神衛生上宜しくないから』
「いや、あたしの精神衛生上も宜しくねぇよ!やるワケねぇだろ、この猫野郎が!
そんなんだったら行きずり強盗にでもなってマルチ急襲するわ、ド阿呆!」


さて、この手の中の物体・・・・・・・・をどうしようか、と思案する僕の耳に入ってきた呪詛のような呟きに、 不意の興味が湧いてそちらを見やる。
そこでは、その小柄で可愛らしい容姿とは裏腹に、心底憎々しげに表情を歪める少女が地団太を踏んでいた。

その日、僕がそこにいたのは全くの偶然としか言いようがなかった。
だから、彼女を見かけたのも、同じく偶然だ。

普段であれば、僕自身が買物に出向くことなど、ありはしない。
ローブも何も、何か仕立てなければいけない時には、仕立屋を呼びつければ良いだけの話なのだから。
何かを望めば、すぐさま与えられる環境に、僕はいる。
そのことに不満はないし、これからもきっとないだろう。
けれど。


『これを、僕にかい?』
『はい、クリーチャーめは、坊ちゃまがお戻りになる日を指折り数えてまいりました。
クリーチャーめは覚えております。坊ちゃまがこれらの食事がお好きなことをクリーチャーは知っているのです』



長の遠出から戻る自分のために素晴らしい料理の数々を用意して待っていてくれたしもべに、 自分は何かをしてやりたいと思ったのだ。
とはいえ、クリーチャー自身は、自分に対して何かを求めることはしない。
それは彼が屋敷しもべ妖精だからであり、もはや本能だ。
だが、「ぼっちゃまがお健やかにお育ちになることがクリーチャーの何よりの願いです」と、 それは献身的に心から仕えてくれる相手に、応えてやりたいと思う気持ちは悪いものではないはずだ。
そう、自分はあの兄とは違うのだから。


「…………っ」


ふと、自身より遙かに優秀でありながら、その義務を放棄し続ける兄の姿が目に浮かび、 その兄に似ているとされる顔が苦く歪む。
血を裏切り、母を裏切り、気ままに生きていながら、それでもブラック家の恩恵を受ける姿は醜悪だ。
そんなにこの家が嫌ならば、さっさとその名前も庇護も全てを捨てて出ていけば良いものを。
我が物顔でブラックと名乗り、ホグワーツで黄色い歓声を浴びる兄が、心底疎ましい。
家を出てしまえば、その後ろ盾がなければ、ホグワーツに通うことすらできないくせに。
それなのに、自分は家の世話になどなっていないなどと兄はのたまうのだ。
クリーチャーへの態度も目に余る。
自分の世話をしてくれる相手に、何故あんな態度が取れるのか不思議で仕方がない。


「僕は、違う……」


そして、せめて自分だけでも、という思いもあって、僕は早朝のダイアゴン横丁を訪れた。
やって欲しいことがないというのだから、仕方がない。
せめて、何か物を買い与えようと思ったのだ。

ただ、具体的に何を買おうか、とまでは決めていなかったが。
なにしろ、衣類の類は屋敷しもべ妖精にとって解雇通告にも等しく、 そんなものを与えたらその場でショック死しかねない。
(だからこそ、彼はその身に肌触りの良いタオルを纏っているのだ)
だが、家事全般で使う器具はすでに一級品が屋敷に揃っているし、 何かクリーチャーに趣味があるワケでもないから、その手の類のものは無用の長物だ。
つまり、私的な所有物はないに等しい。
一瞬、ちらりと守護の魔法でもかかっている宝飾品の類が浮かばないでもなかったが、 そんな高級なもの、あの遠慮深いしもべが喜んで身につけるようには思えない。
下手をしたら「坊ちゃまに気を遣わせたっ!!」などと自分を罰しそうだ。
それになにより、宝飾品なんて家のことをする上では激しく邪魔である。
故に却下。

そして、散々店を眺めた結果、僕は毛布を与えることを思い立ったのである。
なにしろ、厨房の隅に自室(巣?)を作っているが、それはお世辞にも住み心地が良さそうな場所ではなかった。
幾ら魔法で空調の管理がされていたとしても、元が床では冷たい上に硬い。
本人が好きで住んでいるのだから、とも思うが、毛布の一枚でもあればもっと快適になるだろう。
服ではないから、ショック死することもないだろうし、さほど高級でもないから自分を罰しもしないはずだ。
考えれば考えるほど、他の物にする気は起きず、 僕はダイアゴン横丁で布でできているものであれば何でも揃うという触れ込みの店に来た。


「いらっしゃいませ!坊ちゃん、今日はどのような御用件で?」
「すみません、この店で一番寝心地の良い毛布を。できれば派手でないもので」
「はいはい、毛布ね〜!畏まりました、少々お待ち下さい」


愛想良く笑った店員に、手短に自身の希望を伝えると、彼はにこにこと笑顔で奥に引っ込む。
ブラック家の者、などと言ったら、きっとあの表情は硬く強張るのだろうが、 今はただの子どもの買い物程度の認識なので、その態度は気さくだ。
そのことに少しの違和感を覚えつつも、兄と比べられないことに、 スリザリンの、純血の模範となる必要がないことに、ほんの僅か心が和む。


「はい、お待たせしましたー!」

がしかし、そんな時間は長続きしないようで、 すぐに取って返してきた店員の手にある二つの毛布を見比べることになった。


「このさらっとベルベットピンクの奴と、 高級アルパカ素材のココアブラウンが店長おすすめでっす。
ちなみに、個人的おすすめは!もちろんピンク!ピンクの奴ですから、ええ!」
「では、茶色の方で」
「……っ!!」


とりあえず、即決で選んでみる。
が、店員の彼はその言葉を聞くと、笑顔で固まってしまった。
一体なんだと言うのだろう。
彼のおすすめ品を選ばなかったからだろうか。
しかし、いくら落ち着いた色合いだといっても、クリーチャーにピンクはないだろう。

と、僕がしきりに内心首を捻っていると、彼はこちらを余所に一人でぶつぶつ何か呟きだした。


なんてことだ。よりにもよっての子とは……。
いや、
綺麗な顔してるし似合わなくも。
ああ、
いや、人にあげれば良いのか……?
「……あの?」
「い、いえいえいえ!流石坊ちゃん、お目が高い!!
ええと、ちなみに、坊ちゃんに妹さんとかいるかな!?」
「は?いませんが……」
「……あ、そう、ですか。……うん。きっと彼女がいるさ。うん
「それが何か?」
「いい、いえいえいえ!なんでもないです、なんでも!
あ、これは直接持って帰るのかな?それとも、お家に送った方が良いのかな!?」
「……直接持って帰ります」
「そう?そこまで重くはないけど、結構かさばるよー。送った方が良いと思うけど。
っていうか送ろう!なんていうか送ろう!!」
「そうですか……」


物凄い怪しい様子に、いまいち反応できずにいると、 まるで畳みかけるかのように、店員に荷物の送付を勧められた。
がしかし、レギュラス=ブラック宛などと言ったら、この微妙だが気安い雰囲気は一瞬にして砕け散るだろう。
そう思うと、いまいちその提案には乗りかねる。
けれど、店員が勧めてくるのももっともな話で……。
ちろり、と彼が抱えてきたそれを見やる。
その大きさにほんの少しだけ、洩れるような溜息をひとつ。


「では、ブラック家へ送付して下さい」
「へ?」
「聞こえませんでしたか?ブラック家に充てて送って欲しい、と言ったつもりでしたが」


瞬きの間に、模範的な純血一族の仮面をつけて、礼儀正しくそう言い放った。
店員はそれを受けて、呆れるほどに瞳を白黒させると、 「かかか畏まりましたっ!」とひっくり返った声で頭を下げる。
そこに、さきほどまでのフランクさは欠片もない。

嗚呼、なんと滑稽な姿であろうか。
それをしている彼がたまらなく可笑しく、そしてそれをさせている自分が馬鹿みたいに奇妙だ。

がしかし、そんなことおくびにも出さず、支払いを済ませると用は済んだとばかりに踵を返した。
すると。


「あのっ!」


ガシッ!


「っ!」


力強く自分の腕を掴む手があった。
突然の無礼な態度に驚いて背後を振り返ると、そこには今にも泣きそうな店員の表情カオと小さな包み。


「おおお客サマっ!ちょっと、じゃなかった、しょ、少々お待ち下さい!!」
「……何か?」
「も、申し訳ありませんが、先ほどお買い上げの商品には、 その、特典と申しましょうか、そういうものが付いていましてですね!」
「特典……?」
「ええ、そりゃあもう見事な、さっきの毛布と同じ布で出来ているテディベアのリュックサックです!
一家に一匹!空間拡張の魔法が掛かったファスナー付きで、 もうお手持ちの荷物がバンッバン入っちゃいますよ!!
おまけに、かなりの呪いを弾き返します!
まぁ、転送魔法が使えないのがたまに傷ですが……」
「いりません」


腕を振り払いつつも、即答だった。
きっぱりはっきりと店員と彼に差し出された包みを拒否してしまった。
貴族としては正しい対処だが、その歪んだ表情に、少し後悔が起きる。

だがしかし、彼が幾ら力説してきても、別に欲しくないものは欲しくないのだ。
必要性も特に感じない。
(呪いを弾くといっても、たかが知れているし、クマで防御?ありえない)
それに、男の自分が何故テディベアに荷物を詰め込まなければならないのか、疑問ばかりが先に立つ。
それだったら、普通の空間拡張の魔法を、手持ちの鞄にでも掛け防御策を講じた方が合理的だ。

結局、そんな思いからにべもなく店を出ようとする。
と、


ガッ!


さっき以上の力で腕を掴まれた。
……そろそろこの態度に呪いのひとつでも放っても良いと思うのだが、どうだろう。

がしかし、純血一族がまさかこの程度のことで声を荒げるワケにもいかないので、できる限り冷たい視線を送る。
と、彼はその眼光に怯えたのか、一瞬息をのんだが、 鬼気迫る表情で、ボロボロ泣きながら縋りついてきた。


「いえ、これは!お客様のいるいらないの問題ではなくてですねっ!?
持って行ってい、頂かないと私の危機と言いますか!店長に何されるか分からないと言いますか!
とにかく、お願いですから、この店長特製ワンダークマちゃん貰ってって下さいぃいいいぃいー!!」


そのあまりの形相に、思わず目が点になる。
ワンダークマちゃ……?何だろう、それは。
そして、明らかに只者でなさそうな気配がその店長からする。
これは直感にすぎなかったが、僕のどこかが今すぐこの店から遠ざかるように警告を発していた。
そして、どうしたものか、と僕が固まったその時。


「あら、お客さまなのん?」
「「!!」」


どこまでも女性らしい、しかしどこまでも野太い声が聞こえてきた瞬間。
僕は覚悟を決めてその場から立ち去った。
店員の手から、毟り取るように、その小さな包みをひったくって。







「……やっぱり買い物なんて慣れないことはするものじゃないな」


そして、店から大分離れたところで、僕はようやく足を弛めた。
自分の先ほどの態度が、逃げただのなんだの言われようが最早どうでも良い。
今この時ばかりは、純血一族の〜といったあれこれは完全に忘却の彼方だ。
いや、寧ろ自分の身を守ることで、純血一族の誇りを守ったというべきか。
あれは、なんだろう。
恐ろしいほどに本能的な危機を感じさせる声だった。
もう二度と、あんな店には近づかないでおこうと固く誓う。

と、さてでは目的も達したことだし家に帰ろうと思ったところで、手に持つ包みに目がいった。


「……クマ、か」


本来であれば、毛布とともにクリーチャーにやるのが筋だという気もするが、 彼はあくまでもオス(男?)だ。
テディベアなんてもらっても、普通なら嬉しくないだろう。
が、僕が与えれば、滂沱の涙を流して、それを大切にするであろうことが容易に想像がつく。
それはなんというか、僕が居た堪れない気分に陥りそうだ。


「それに……」


それに、なにより。
その光景を、あまり母上は気に入られないだろう。
誇り高い人なので、しもべを丁重に扱いはしても、施すような真似は癪に障るに違いない。
(使用人には仕えさせてやる代わりに庇護してやる、という精神の持ち主なのだ)
明らかに、しもべとしての距離を逸脱している行為に、せっかく買った毛布を取り上げられてはかなわない。
がしかし、自分にはこんなものをあげる相手はいないワケで。

さて、どうしようかと思っていたその時だった。


『だから、その数少ない小遣いを増やさなくちゃって言ってるんだよ。
流石の僕も、金貨を偽造なんてしたら色々面倒なことになりそうだからね。使うのは君だし』

「ないわ!お前マジでないわ!!なんでそういうこと先に言ってくんないかな!?
意気揚々とグリンゴッツ行こうとしてたあたしに対する新手のいじめか!?」


怒鳴る少女の声が目に飛び込んできたのは。
そして、振り返れば、そこには猫に挑みかかる可愛らしい東洋の少女が一人。
見るからに困っている、というその姿に、迷子だろうか?と首を傾げる。
別にわざわざ案内などしてやるつもりもなかったが、 もしこれが名家の令嬢などであった時、見捨てたことがバレたら後々面倒だ。

多分、その乱雑な口調からそんなことはないだろうな、と思いつつ事態をそっと静観する。
と、僕が様子を窺っていることなんて気づきもしないのだろう、少女は苦悩するように頭を抱えたり、 猫に向かって恨みがましい声を洩らしたりと、非常に忙しい。


「ああ、もう!せめてあのクマだけでも持ってきてたらこんなことにならなかったのに!!」
『しょうがないじゃないか。いきなりこっちに来るって決めたのはなんだから』
「うっさい!ばーか、バーカ、ブワァーカ!」


そして、空を見上げるように発した叫び声に、思わず手の中の包みを見た。
これは、もしかして運命、という奴なのだろうか。
事情はよく分からないが、彼女はクマがなくて困っているらしい。
そして、自分の手には、自分には必要のないクマ。
ごそごそと、包みから取り出し、そのつぶらな瞳と見つめ合うこと、約1秒。


「……あの。すみません」


僕の心は決まった。
だが、少女は、どうやら猫との口論?に夢中らしく、僕の言葉に耳を塞いで喚きだす。


「謝ったって許してなんかやんないんだかんな!」
「いえ、そうではなく……」
「あー!知らない知らない!スティアの馬鹿なんか知らない!!」


その、取り付く島もない様子に、さてどうしたものかと困惑する。
折角、良いことを思いついたというのに、話せなければ何の意味もない。
と、僕が困っていることに気付いたのだろう、少女ではなく、猫の方が僕を見る。
そして、猫は少女を見上げると、にゃごにゃごと、何事か呟いた。


。それ僕じゃないから』
「ボクジャナイってなんだ!?……って、は?僕じゃない?」
『後ろ、後ろ。君に話しかけてるイケメンが約1名』
「マジで!?」
「っ!」


ぐりん!と勢いよく少女が振り返る。
その瞳は、驚く程にきらきらと輝いていて、思わず引き込まれそうなほどだった。
正面から間近で見つめてしまったその笑顔が、酷く愛らしい。
がしかし、僕と瞳があった瞬間、一瞬にしてその彼女の表情が変化した。


「……って、シリウスじゃんっ!」


その言葉から予想されるものとは真逆の、心底残念そうなそれに。
あまりにも予想外の表情に、思わず問いかける。


「……兄を、ご存じで?」


普段であれば、兄に間違われても不快な思いをするだけなのだが、 どうも、相手が心から嫌そうにしている姿に、好奇心が刺激されてしまった。
普通、シリウス=ブラックに出逢ったら、同世代の少女のほとんどが嬉々として話しかけてくるものだ。
がしかし、目の前の彼女は、そうではなく。
グリフィンドールのエバンズ先輩と同じかそれ以上に、兄を毛嫌いしているような反応である。
これが、気にならないわけがない。

すると、僕の一言に、彼女が大きく目を見開いて、ぽかんと口を開いた。


「兄って……じゃあ、レギュラス!?」
「……ええ、僕はレギュラス=ブラックと言います。失礼ですが、貴女は?」
「あ、ああ、ええーと、あたしは……」
『安易に名乗んないでよ。何があるか分からないんだから』
「分かってるよっ!」
「は?」
「あ、いや、こっちの話。えっと、あたしは……ふ……」
「ふ?」
「ふ、不二・・ 子でっすw
西洋風に言うなら、ミネコ=フジ?悪戯仕掛け人を影で操る、魔性の女でっす☆」
『うわぁ、ミステリアスにも程があるー……』
「……ミネコさんですか。兄に貴女のような知り合いがいたとは思いませんでした」


その自己紹介に、僕も軽く目を見開きながら応じる。
悪戯仕掛け人、とは兄たちのことだが、それを影で操る?こんな小さな子が?
魔性があるかどうかは置いておいて、そんな話は初耳である。


「「…………」」


がしかし、あまりにも堂々と宣言されてしまった手前、さらにつっこんでは聞き辛い雰囲気だった。
(まぁ、高確率で妄想か冗談の類だろう)

と、僕がその話題をさっさと打ち切るつもりになっていることが分かったのか、 それとも、その沈黙に耐え切れなくなったのか、彼女の方から別の話題を振ってきた。


「あ、あたしも、あのシリウスの弟がこんな礼儀正しいなんて思わなかったです!
で、ええと、あたしに何か用デスか?」


その言葉に、彼女に話しかけた当初の目的を思い出す。
そして、おもむろに例のクマを差し出した。


「ああ、すみません。実は先ほど、この近くでこんなものを拾ったのですが」
「…………っこれは!」
「先ほど、クマがどうのと叫んでらっしゃったので、貴女がこれを落としたのではないかと思いまして?」
「うっそ!?」


しれっと言い放つ。
すると、予想以上に、少女はその言葉に喰いついてきた。
僕からクマを受け取ると、まじまじとそのクマを抉るように見つめる。
どうやら、幸いにしてこのクマは、彼女の持っていたものとよく似ているようだ。
ああ、もしかしたら、この子もあの店で毛布を買ったのだろうか?
だとしたら、奇跡的な出会いである。
正直、こんなところで奇跡なんて起きて欲しくなかったが。


「嘘。何で?どうして??あたしのクマ……?」
「……良かった。では、僕はこれで」


彼女が嘘に気づく前に、素早くその場をあとにする。
そして、少女の姿が丁度見えなくなるほど離れてから聞こえてきた叫びに、思わず吹き出してしまった。


「って、中身空っぽじゃんっ!有り金全部とられたぁあぁぁああぁー!!」


明らかに彼女のクマとは別物だと分かっていながら、 それでもあっさりいらない物を押し付けてしまう自分は、 やっぱりスリザリンなんだな、と思った。





いいえ、クマのリュックです。





......to be continued