Phantom Magician、50.5







おや、君は……。
なんとなんと。懐かしくも目新しい魔力を感じると思ったら。
あの方の、片割れだね?
嗚呼、いや、これは失礼をした。
そんなことは、今更確認するようなことではなかったね。
その魔力だけで、一目瞭然なのだから。
同じようで、まるで違う。
君は、あの方ではないのだね。

そうか。
君がここにこうしているということは……あの方は、叶えたのだね?
その願いを。その想いを。
ただ一つのそれを手に入れたのだろう?
探し求めた奇跡を、手にしたのだろう?

そうだとするならば。
なんと素晴らしい。
なんと尊い。



ホグワーツは、貴女を歓迎しよう。



たとえその身に、ホグワーツの生徒足りうる力がなかったとしても。
私は貴女に祝福を授けよう。
それが、私からせめてものお礼だと思って欲しい。
何しろ、手足もない私には、それ以上差し上げられるものがないのだよ。
なに、力がなくとも、それを助ける者がいるのだ。
何の問題もないだろう。

嗚呼、懐かしさのあまり長話をしてしまったね。
それでは私は、私の本分を全うすることとしよう。
君の行く寮は、君が生まれたその時から決まっている。
誰よりも誇り高く。
誰よりも己が心に忠実な貴方に敬意を込めて。







スリザリン――







......to be continued