彼は言う。 自分には資格がないのだと。 零崎の人間断罪、4 ガタン ゴトン ガタタン ゴトン 規則正しい電車の音に、うつらうつらと頭を揺らす。 は一人、もう何時間になるか分からないくらい長い時間、こうして電車に揺られていた。 その派手派手しい格好に、彼の周囲はすっかり圧倒され、ぽっかりと妙な空白地帯ができている。 別にが足を馬鹿みたいに広げて、物騒な視線を振りまいている訳では、もちろんない。 ただ、今時の若者すぎるその格好は、どうやらあまりお近づきになりたい代物ではないようだ。 と、規則正しく響いていたレール音が急に鈍重なそれに変わる。 そのことでの意識は浮上し、完全に電車が止まったその瞬間、 彼は最終駅のホームに降り立っていた。 くあっと、声を上げずに大あくびを一つ。 肩を回すと耳障りな、しかし気持ちの良い音がした。 適当に音楽プレイヤーをいじって、これまた適当な音楽を流すと、 はぼんやりと反対側のホームへ向けて階段を上る。 彼の目的地はここではない。故に彼は電車を乗り換えなければならないのだ。 新幹線の通っているところだったら良かったのに、と現代っ子のは思う。 嗚呼、でも、そうだったら、きっと自分はこんな風に来たりしなかったかもな、とも同時に思った。 どこか牧歌的な雰囲気のする駅のホームで、彼はまた数十分を過ごす。 地方ともなると電車が一時間に一本なんていうのもザラで、しかも接続も最悪、なんて状況が珍しくない。 毎度のことなので、一応暇つぶしに漫画雑誌を購入して読んだり動画を見たりしてみたが、 なんだか惰性でだらだらしているだけに思えて、結局、は電車の中のようにほとんど寝て過ごした。 そして、待ち望んだ数十分後、滑るようにホームに入ってきた電車に足を一歩踏み入れて。 「あ」 は、きょとん、と目を真ん丸にして立ち止まる。 「よお、リーダー。元気そうじゃねぇか」 そこには、彼の末弟がいつも通りにやにやと笑顔のままに立っていた。 とりあえず、そのまま突っ立っていると電車がドアを閉められないので、 は弟――零崎 人識を伴って人のまばらな場所に腰掛けた。 「またエライ珍しいのに逢うもんだなー。レン兄がいつも通り探してたよ、人識」 「げ。またか。いい加減ウザイんだよなぁ、あの兄貴。やっぱ一思いにヤっちまうか」 「あはは。とか言いつつ、僕のこと双識だと思って最初寄ってきたんだろ? 本当に人識はブラコンだなぁー」 「…………」 周囲にいる人々は、その会話の内容に、なるほどこいつらは兄弟か、と大いに納得した。 そう、顔立ちこそ全く違うものの、その着ている服や雰囲気が彼らは酷似していたのだ。 片や、明るく脱色した茶色の髪に、喪服と見紛うほど黒ずくめかつびらびらした奇抜な格好。 片や、なにをどうしたらそうなるのか斑に脱色した髪にスタイリッシュなサングラス、 極めつきに右頬を禍々しく彩る極大の刺青。 この兄にしてこの弟あり、と言えるくらい、彼らは周囲から目立っていた。 まともな格好をしていたらもっと良いだろうに、 と数メートル先にいたおばさまがうっかり思ってしまったのも無理はない。 がしかし、だ。 次の瞬間、そんな周囲の和やかともとれる思考は一瞬で根こそぎ消えて無くなった。 「……殺す」 「うん?」 「殺す殺す殺すすぐ殺す。今殺す。 殺して解して並べて揃えて晒して刻んで炒めて千切って潰して 引き伸ばして刺して抉って 剥がして断じて刳り貫いて壊して 歪めて縊って曲げて転がして沈めて縛って犯して喰らって辱めて――…」 「え、俺弟に犯されんの?すげぇ嫌だな、それ」 「…………」 電車内の空気は間違いなく凍り付いた。 だるっとしただけがその冷気をまるで無効化できるかのようで、 うっかり巻き込まれた一般市民の皆さんは人識の殺気ともなんとも言えない空気に、 全力で車両を移動したかったに違いない。 返す返すもこの場に軋識がいないことが悔やまれる。 彼であれば、この凄まじく心臓に悪い会話を問答無用で突っ込んで蹴散らしてくれただろう。 がしかし、ここにいるのは残念ながらと人識だけだった。 ちっ、と舌打ちを一つして、人識はの軽そうな頭をぶん殴るに留めた。 「アイタ!」とかなんとか、情けない声が聞こえるが、それは無視することにする。 「二度と、俺を、そんな呼称で、呼ぶな」 地獄の底から響いてきそうな低音で言うだけに留めた自分に、人識は心の中で拍手を送る。 彼は諦めの良さに定評のある男だった。 「ってぇなー。『兄貴以外を家族と俺は認めない』とか言う奴がブラコン以外のなんだって…… うわ、痛ぇ!……分かった!ごめん、ごめんなさい!もう言いません!」 ぐさっと手の甲に裁縫用の針を突き立てられるに至って、はようやく諸手を挙げて弟を見た。 痛いのは嫌らしい。その目にはしっかりと涙が溜まっていた。 それを見ても溜飲はちっとも下りなかったが、ひとまず人識はそこで刃物を全て目に見える範囲から収納した。 「って〜。あー、マジ痛ぇ。針で刺すんじゃねぇよ、針で。しかも縫い針で」 「良いじゃねぇか、針。なんと、服はおろか人間の皮膚だって縫えるんだぜ?」 「同じ針じゃねぇけどな。ったく、ヤるんなら優しくしろよなー。俺痛いのイ・ヤ」 「……俺はな、そういう下品な冗談が一番嫌いなんだって知ってんだろ」 「いや、下品とかじゃなくて掛け値なくお前に犯されんのも痛いのも嫌なんだけど。 そもそも、嫌いなんだったら犯すとか辱めるとか言うなや。 っていうか長い。意味分からん。いつももっと短いだろ?お前の決め台詞」 「……はぁあああぁぁあぁー」 人識からありとあらゆる精気が抜け出るような、凄まじい溜め息が漏れる。 この人物のこういう掴みどころのないところが、人識は昔から苦手だった。 曲識に対する苦手意識とは別の部分で、よく分からないと思う。 なにが一番大事で。 なにに傷つき、なにに怒り、なにを喜びとするのか、分かるようでよく分からないのだ。という男は。 いや、まぁ、人に理解されず、理解しようともしない自分が言っても説得力がほぼないのだが。 他の零崎連中よりもよほど分かりやすくないのは確かだろう。 『ランはね。酷く優しい男なのだよ』 ある時、いつものように兄は知ったような口調でそう言っていた。 『優しいぃー?人の内臓引きずり出してぐるぐる巻き付けてる変態のどこが優しいんだよ。クソ兄貴』 『何を言ってるんだろうね、人識くんは。あの鮮やかな殺し方を見て分からないのかい? ランはね。殺すことは許容しているけれど、傷つけることは大嫌いなんだよ』 『あぁ?』 『だから、必要がある時だけ、死んだ後に体をぐちゃぐちゃにするのさ』 そもそも優しい奴は死体をぐちゃぐちゃに解体なんぞしないだろうやっぱり頭沸いてんだなよしそのまま脳細胞よ死滅しろ。 と、声に出さずにツッコミまくっていた覚えがある人識である。 そう、優しい奴は死体損壊なんてことはしない。 きっと、一つの傷もつけずに相手を殺すことのできるような奴こそが、優しいのだ。 そんなことをするのは、自分のように優しくない奴に決まっている。 優しくもなんともない、鬼に決まっている。 「――い、人識?おーい、人識クーン?」 「あ?んだよ、リーダー」 「何、もなにも。ドデカイ溜め息の後に沈黙されたら普通労るだろーよ?」 「……労ってたか?今」 「んー。多分ー?」 「相変わらず適当だな、リーダーは」 思考の海から引っ張り上げてきた割には、大したことも言ってくれないに、 人識はぞんざいな視線を返すことしかできなかった。 軋識のようなごく少数の人間を除いて、どうして零崎一賊という奴はこうも適当なのだろう。 真面目な自分ばかり疲労させられるではないか。 全国津々浦々を飄々と、それこそ適当に放浪しているくせに、自分のことは棚に上げてそう思う。 まぁ、もっとも、そうでもないと、殺人鬼なんてやってられないのかもしれないが。 と、そんな人殺しな二人組は、しかし、長閑な電車の中で、それこそ呑気な会話を続ける。 「なぁ、そういえば訊きたいと思ってたんだが、人識クンや。 なんで俺のことリーダーって呼ぶん?俺、別に零崎仕切ってたりしないんだけども」 「リーダーっつったらあれに決まってんだろ?リーダー」 「えー、俺の中でリーダーっつったら城島さんだけど?」 「TOKI○かよ」 「T○KIOだよ。俺好きだったんだよね―。村とか村とか村とか」 「村オンリーじゃねぇか。似合わねぇー。リーダーが村とか違和感しか感じねぇよ」 「だから、そのリーダーって呼び方紛らわしいんだっつの。なぁ、なんで?」 「だから、あれだって。ファッションリーダー」 「はぁ?」 怪訝そうなだったが、彼が服装に気を遣っていることは一目で分かる。 女性並に爪は綺麗に整えられているし、脱色しているくせに髪はサラサラでキューティクルが光っている。 可哀想なくらい痛めつけられている人識の髪とはまるで違う輝きだ。 一応、人識とて懐が温かくなった時にはちょっと奮発して椿油なんてものをつけてみたりもするのだが、 なにしろ、基本がホームレス生活なので、あまり継続してケアできているとは言い難い。 服だって着たきり雀が常である。 しかし、は人識と同じように定住している訳でもないくせに、 どこかに衣装を押し込んでいるコンテナは所有しているらしく、 同じ服を着ているのを見たことがほとんどない洒落者だった。 「いやー、ほとんどないは言い過ぎじゃね? ちゃんと着回ししてるって。こういう系の服って高いんだぜー?そうそう買えねぇよ」 「そういう着回しできてる時点でファッションリーダーだろ。 いや、俺としてはもうリーダーはファッションモンスターと言っても過言じゃないとさえ思ってるぜ」 「……モンスターよりはリーダーのがまだ良いな。うん」 自分の軽口になんとも微妙な表情をするは、 しかし、そんな表情でも調和の取れた格好のおかげで様になっていた。 趣味こそ違うものの、いつ見てもこの人物は洒落ているなーと思う。 なにしろ、他の一賊の面々がクソ似合わないスーツ男だの、裸の大将ルックだの、夏でも燕尾服だので、 参考にならないこと甚だしい。 あんなのばかりを見ていた割に、自分がそこそこ見られる格好をしていられるのは、 きっとのセンスのおかげに他ならないだろう。 そう思うと、リーダーという呼び名には敬意すら含まれているのかもしれない。 本人が訊いたら、更に複雑な表情をするに違いないことを考えながら、 人識はふと、話のついでとばかりに、その洒落た男に服を強請ってみる気になった。 今着ている服がそういえば古くなってきたな、という現実的な理由もあったが、 なにより、が選んだ物であれば間違いなくセンスが良いに違いない、というのも理由の一つである。 「今度俺にリーダーの服くんねぇ?所謂お下がりっつー奴」 「俺とお前じゃタッパに違いがありすぎるだろ?」 「確かにそりゃあそうだが、胴回りで言えばそう違わねぇだろ?アンタ細いんだし。 探しゃー、俺でも着れそうな服の一つや二つや三つはあるだろうよ」 「そんなにタカる気かい。……んー?んー、んー、んー……」 と、なんのかんの言いつつも、自分のセンスを褒められて悪い気がしないのはとて同じようで、 彼は弟の現金な言葉に苦笑しながらも、記憶を辿るようにする。 基本的にの持つそれは、ずるずると長めの裾の服が多いため、 一般的に身長が低い部類である彼の弟に着られそうな服となると、流石の彼でもすぐ思い出せはしなかったらしい。 なにしろ、人識くらいの身長の時に着ていた服なんて物は流石に残していないし……って。 「あ」 「ん?おーおー、なんか思い当たったげ?」 ぽん、とそれは古典的に手を打ったの姿に、人識の笑みが一層深まる。 洒落た服が貰える、と素直に喜んでいるその様子に、は一瞬奇妙な笑みを返し、 「あー、うん。丁度お前くらいの時に着てたのがあるわ」と応えた。 すると、案の定「くれ」となんの躊躇もなく言ってきた人識に、は軽く了承を伝える。 「サイズ的には問題ないと思うけど、後で文句言うなよー?」 人識は知らない。 後に彼の元に送られてくることになるその服は、にたった一度しか着られたことがない、ということを。 それも、今では大戦争と呼ばれる未曾有の大災害の際、 辺鄙な田舎町で血と泥に塗れた服をどうしても替えなければいけなかったため、 仕方がなしに選んだ軍服もどきの奇抜な服であった、ということを。 奇跡のように生き残った記念に残しておいた物なのだが、 としてもあまりのダサさにそろそろ捨てようかと思っていたのだ。 それなら、いっそその前に笑い話にしてしまおうと、彼は人識にそれを渡すことにした。 そして、は知らない。 後に弟がそれをお洒落な服だと信じ切って着こみ、 かの人類最強から「お洒落ガンバリスト」という不名誉な称号を与えられてしまうということを。 この時、誰一人として知らなかったのだ。 ガタン ゴトン ガタン ゴトン 二人の殺人鬼はファッションから経済まで、それは統一感のない話をしながら電車に揺られ、 やがて、数時間後、終点である鄙びた港町に辿り着いていた。 空調の整っていた電車から一歩出ると、そこはむっとした塩気の混じる空気に満ちた場所だった。 ホームからは建物の隙間に海さえ臨めるそこで、はうなり声を上げながら伸びを一つ。 ここからは、徒歩で目的地に向かう必要があるので、準備運動のようなものだ。 電子マネーの使えない無人の改札をくぐり、は慣れたような動作でさっさと歩き出す。 「んで、人識はどこに行くんだ?ってか、お前乗り越し料金は?」 「払う相手がいないもんだから、窓口んとこに適当に置いてきた。 リーダーこそどこ行くんだよ?」 「訊いてどうする?」 「とりあえずついていってみる、とか?」 「んじゃ、教えないっつったら?」 「やっぱりついていってみるんじゃねーの?」 「それ、教える意味ねぇー!」 ケラケラ、といつもよりもテンション高く笑うに、人識は片眉を上げる。 だるっとした脱力している姿がデフォルトであるこの男が、 なんでもない時にこんな風に笑う姿、というのは初めてだった。 奇妙というには小さく、しかし些細と呼ぶには大きなその違和感に、 しかし、人識はにもなりにそういう時があるのだろう、と簡単に納得してみせる。 そもそも大都会ばかりを好むが、こんな田舎に来ること自体が珍しいのだ。 いつもと違う環境で多少テンションが上がっていても、別におかしくはないだろう、と。 ところが、ひとしきり笑った後、が弟に投げた言葉は、完全に彼の予想の範疇を超えていた。 「俺が行くのは墓参りだよ」 それは、墓なんて物をほとんど残さない殺し名の予想からは、大きく外れる言葉だった。 「…………」 短命であり、戦いの中で死んでいく者が多い殺し名には『墓』という概念はあまりない。 もちろん、墓自体を知らないなどという常識知らずなことを言うワケではないが、 なにしろ、彼らは裏の世界の住人なのだ。 例え一緒に育った兄妹でも。 例え血以上の絆を持つ同胞でも。 死んだらそれまで。 死体は死体、息を引き取った時点で注意を払うべきものではなくなる。 しかも、亡骸を手厚く葬るような余裕がいつもあるとは限らない。 自然、墓という存在は、殺し名には縁遠い物となった。 人識とて、両親の墓なんて存在は知らないし、きっとそんなものはそもそもないのだろうと思っている。 あればきっと、あの馬鹿兄貴がやれ盆だ彼岸だと言って連れて行くに違いないのだから。 それがないということは、普通を夢見るあの兄も、墓なんて概念を持っていないからだろう。 しかし、は墓に行くと言う。 喪服と見紛う、漆黒の衣装をひらめかせながら。 「ってことで、まずは花買ってこなきゃだなー」 ぱんっと。 時には人を刺し貫くこともある黒レースの日傘を、は本来の用途で使うために開いた。 くるり、くるり。 目の前で回る日の光に透けたその傘には、細かい唐草模様が黒地に黒で描かれていることに気づく。 けれど、そのことには触れず。 どころか、その『墓』とやらに着くまで一言も言葉を発さないまま、 人識は自分の目線ほどの高さにあるその細い肩の後ろを、ただただ歩いて行った。 なんでもないような、どこにでもある港町で。 塩で痛んだ木造の住宅。 何年も塗り替えかられていなさそうな、色のあせた看板。 そんな物をのんびりと眺めながら、は迷いのない足取りで進んでいく。 それは、明らかに既知の場所に対する気安さと親しみだった。 そのことに、人識の中でここがどこなのか、という答えが明確になりつつあったその時、 海の見える高台の、民家と民家の間にある更地で、はその足を止めた。 「…………」 そこにかつてあったなにかを見るように、の目がゆっくりと細まる。 そして、彼は細い息を吐き出しながらその場に花を手向け、涙の出そうなほど目に痛い青空を振り仰いだ。 雲一つ無い、晴天だった。 「……おふくろさんか?」 紛れもなく死者を悼むその姿に、ぽつり、と問いが漏れる。 彼が零崎に成ったその時のことは、双識からなんとはなしに訊いていた。 だからこその、問い。 『は、最愛の母親を自身の手で殺し、絶望の末に首を掻き切った』 『零崎』である以上、特に珍しい話ではない。 家族であろうと、友人であろうと、恋人であろうと。 相手が人である以上、零崎と成ってしまった以上、殺さないという選択肢はないのだから。 もっとも、罪悪感を抱かない零崎が、殺した相手の墓を参るというその行為自体は珍しいそれだけれど。 がしかし、十中八九間違いがないだろうと思われた予想に反して、 はゆっくりと首を横に振った。 「んにゃ。あの人はここにだけはいないさ」 「うん?」 「ここはな。あの人が不倫してた相手の家があった場所なんだ」 「……へぇ」 「んでな?ついでに言うと、俺の初恋の子が住んでた場所でもあるんだなー、これが」 「…………」 淡々と紡がれる言葉とその意味。 それを知って、人識はじっと、を無言で見つめた。 話を促すようでもあり、の顔色を窺うようでもあり。 ただ、相手を慮っていることだけは、伝わる視線だった。 俯くには、それは決して見えない物だけれど。 泣くことに資格はいらないと知りながら、彼は微笑みを絶やさない。 ......to be continued
|