この世界に希望なんてない。





零崎の人間、0





――その日、彼は思い出した。
孤独に支配されていた恐怖を。
殺意に囚われていた日常を……。


「……ふ……くく。あははははははっははははははははっはははは!」


彼は人ではなかった。
神が人を殺すために生み出した装置だった。

そのことを分かってはいたが、 結局のところ、理解わかってはいなかったのかもしれない。

嗚呼、いや、違う。
彼は最後の最後まで信じたくなかっただけなのだ。


「さぁ、エレン」


自分がただの鬼であることを。
この孤独な世界で思い出したくなど、なかったのだ。


「ここが人生の別れ道だ」



両手を広げて彼は己の同類・・・・を背に微笑みかける。



「僕は人間か否か。どっちだと思う?」
、お前なにワケ分かんないこと言って……!」
「ねぇ。答えてくれよ、エレン」


殺人鬼たる僕と、人殺しの巨人と。


「なにが違うのか、教えてくれよ」










すなわち、それは絶望という意味だよ。







......to be continued