オコサマ的な彼女―おまけ― 「オイ。あそこがお前の家か?」 「そうですわ」 最後の曲がり角を曲がった時、三蔵は思わずそう口を開いた。 二人の視線の先に広がる大邸宅は、ご近所でも有名なさんのお宅――……。 の偉そうな口調と達者な口も思わず納得(そうか?)の其処にはパトカーが何台か停まっており、 どうやら思っていたよりも大事になっていたらしい。 「此処で良いですわ。降ろして下さる?」 「ハァ?何を今更言って……」 「このまま家に着くと誘拐犯に間違われるか、凄い御持て成しに記者会見、のどっちかですわよ?」 「…………」 三蔵は無言でを降ろした。 だが、すぐに駆け出すかと思われた少女は家の方に向かわずに彼を見上げている。 「……今度は何だ?」 「貴方のお名前は?」 「…………」 「『貴方のお名前は?』と聞いておりますのよ、このあんぽんたん」 「……玄奘 三蔵だ」 「そう。では三蔵、しゃがんで下さる?」 「断る」 「しゃがめって言ってるのが分かりませんの?泣きますわよ」 「……チッ」 しぶしぶしゃがみ込んだ彼に、は極上の笑顔を向けた。そして――…… CHUv 「ほんのお礼ですわv」 軽快な足音が遠ざかっていく中、三蔵は見事なまでに石化していた。 玄奘 三蔵18歳。 不覚にもピカピカの小学一年生に唇を奪われたある日の夕方……――。
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