傍にいるのが当たり前だった。
定位置に視線を送れば、眼に入るのが当然だった。
けれど、今キミは見えず。
何処に行っても、キミはいない。

温かかった。
冷たくなった。
柔らかかった。
硬くなった。
キミを抱きしめても。
キミのぬくもりは感じられない。

私はキミが好きでした。

キミがいなくなった時。
世界は色褪せて。歪んで。ひび割れて。
心の奥に穴が開いた。

あの時ああすれば良かった。
あの時こうすれば良かった。
後悔ばかりが押し寄せて。
自己を嫌悪し、闇の中。

癒してくれるのは時間ですか?
この哀しみは消えるのですか?
消えて欲しいと願う自分。
消えて欲しくないと思う自分。

そして、流れる時は哀しみをも流し去り。
虚しさが心を落ち着けた。

私はキミが好きでした。

立ち止まって泣き続ける事はできなかったけれど。
キミだけを想って悼んで生きる事はできないけれど。
私はキミを忘れる事だけはしません。
そんな事だけはしたくない。

だから、キミを想って天を仰ぐよ。
私は今でも君が好きです。